成年後見人が参加する場合の遺産分割協議について

成年後見人が参加する遺産分割協議は注意が必要

あくまで「本人の財産保護」が制度趣旨!

前述の通り、成年後見制度は「本人の財産権の保護」を図る制度になります。この「後見制度」を利用する場面が多いのは、実は「遺産分割協議をしたいけど、配偶者が認知症を患わっているので、話し合いそのものができなくて…」というようなケースなのです。

 

このような「遺産分割協議を進めるために、後見制度を利用する」という場面では、申し立ての段階で、家庭裁判所から「遺産分割協議の分割案についても、資料を添付してほしい」という要請がなされることが多いです。また、「相続財産目録」についても合わせて提出を求められることがあります。

 

さて、家庭裁判所はなぜこのような要請を行うのでしょうか。

それは、後見制度が「本人の保護」のための制度であり、まったく財産を承継させない(相続による財産取得を事実上放棄するような)遺産分割協議を原則として認めることはできないからです。

 

そのため、当該制度をしっかりと理解している専門職後見人(弁護士や司法書士等)が本人の法定代理人として遺産分割協議に参加する場合は、原則として『法定相続分を確保した遺産分割協議でなければ合意ができない』こととされています。なお、「それでは二次相続時に多額の相続税がかかる!残された相続人が困ってしまうではないか!」という意見が多くありますが、家庭裁判所の考えとしては、「相続税の負担義務は相続人にあり、相続税の納税額を軽減することは相続人のためになっても、本人の利益のためにはならない」となります。

 

法定相続分の確保では困ってしまう…そんなときは

もしどうしても法定相続分を確保した遺産分割協議が納得できない場合は、専門職後見人や家庭裁判所の担当者との綿密な打ち合わせを行い、「本人の保護」を図りつつ、全員が納得できるような協議内容を目指します。しかしながら、制度趣旨が財産権の保護であるため、簡単には認められません。そのため、(後見申し立てそのものを行わないまま)『遺産分割協議を行わない』というのも選択の一つではないかと考えます。つまり、「未分割」の状態のままあえて相続手続きを放置するという手法です。相続税の申告が発生している場合などお勧めできないケースはございますが、「待ってみて正解だった」というお客さまもたくさんいらっしゃいます。遺産分割協議自体に期限がないため、無理に進める必要がないケースも多くあるのです。判断に迷う場合等、どうしたらよいかわからない場合は、お気軽に名古屋の行政書士法人エベレストまでご相談ください。

 

「特別代理人の選任」が必要??

ご本人(成年被後見人である認知症等で判断能力を欠く相続人)の成年後見人として、同じ相続において、相続人である親族の方が就任することは珍しくありません。このような場合、成年後見人である立場と、自らが相続人である立場とが重複し、成年被後見人であるご本人の財産権を守る役割が果たせない可能性があります。

このような状態、取引のことを「利益相反(りえきそうはん)」といい、利益の相反しない第三者である「特別代理人」を選任する必要があります(民法第860条本文、第826条)。


なお、後見監督人が選任されていれば、後見監督人が特別代理人の役割を果たすため、特別代理人の選任は不要となります(民法第860条但し書き)。


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