相続人の順位

「誰が」相続するのか

「相続」の基本知識を理解するうえで、最も大事なことであり、多くの方の関心が高いのが、「誰が相続するのか」という「相続人」に関する問題です。

 

「相続人」についてまず理解しておかないといけないのは、亡くなった人が有効な「遺言」を残している場合は、その「遺言」で指定された者が優先して(遺言で指定された)財産を承継するということです(これを、「遺言相続(いごんそうぞく)」といい、この場合の財産承継者を「受遺者(じゅいしゃ)」といいます)。なお、近年「終活ブーム」により遺言が多少普及してきたといっても、まだまだ遺言を遺さないまま亡くなられる方が圧倒的に多いのが現状です。それでは、「遺言」が残されていない場合や、「遺言」があっても形式的な要件の不備等で有効と認められない場合はどうなるのでしょうか。

 

有効な遺言がない場合には、民法に「相続人(そうぞくにん)」に関する規定に従い、相続する人が決まることとなり、具体的には、下記の通りです(有効な遺言がある場合の「遺言相続」に対して、「法定相続(ほうていそうぞく)」といいます)。

※相続に関する被相続人(ひそうぞくにん⇒亡くなられた人のことを言います)の遺言を偽造(ぎぞう)したり、隠したりした者、わざと死亡させて刑罰を受けた者などは、「欠格事由(けっかくじゆう)」に該当し、「法定相続人」に該当しても、相続する権利を当然に失うことになります(民法第891条)。

 

法定相続人(民法第886条~第890条)

第1順位

(相続の開始以前に死亡しているときは、その者の子)

 

第2順位

直系尊属(但し、親等の異なる者の間では、その近いものが優先)

 ※「直系尊属」とは、父母、祖父母を指します。

 

第3順位

兄弟姉妹(相続の開始以前に死亡しているときは、その者の子)

 

配偶者は常に相続人となります(民法第890条)。

※ 胎児は、既に生まれたものとみなされます(民法第886条第1項)。

※ 第3順位での代襲相続(法定相続人が相続開始以前に死亡している場合に、その者の子が相続すること)は、甥・姪までに限られます(第1順位では制限がありません)。


法定相続人に関する補足説明

(1)先順位の者がいる場合は、後順位の者は相続人になりません。つまり、子が一人でもいれば、後順位である親や兄弟は相続人にはなりません。

 

(2)配偶者(夫又は妻)は先順位でも後順位でもない「同順位」であるため、配偶者がいる場合は、配偶者は常に相続人となります。相続手続きの実務をしていると、ご相談者様のなかで「子がいない場合は、すべて奥さん(旦那さん)が相続できるんでしょ?」とおっしゃられる方がいますが、民法の規定によればそういうわけにはいかず、法定相続人は「配偶者+亡くなられた方の親」又は「配偶者+亡くなられた方の兄弟又は甥姪」等となります。


(3)配偶者につき、実務でよくご質問を頂くのが、『内縁関係』についてです。これは、ほぼ夫婦と同じように生活しているのに、婚姻届が出されていないがために、「法律上の配偶者」として認められず、相続することができません。さまざまな理由で婚姻届を出すことができず、でも内縁の配偶者に財産をわけてあげたいという気持ちがある場合は、生前に「贈与」をするか、「遺言」をしっかりと残す必要があります。(⇒遺言書作成の支援

※内縁の配偶者であっても、遺族年金の手続きや簡易生命保険においては、配偶者として扱ってくれる場合があります。

 

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