2014年

9月

18日

成年後見人の報酬はいくらかかる?

関連知識:★「後見」の基本知識

 

平成25年度司法統計によれば、後見・保佐・補助開始の審判申し立て事件(※取消しも含む)の取扱件数は、4万2545件と増加傾向にあります。

 

後見制度を利用するに至ったきっかけに多いのは、故人が遺言を残さずに死亡し、認知症の配偶者を含めて遺産分割協議をしなければならないという「相続」の場面がほとんどになります。

 

そのため、死亡者数が増えていくこれから20年ほどは、後見制度の利用件数も右肩上がりになるのではないかと予想することができます(※認知症患者数について、厚生労働省の将来推計では2015年に262万人に達するとされています)。

 

このように「後見制度」については、身近なものになりつつあることがおわかり頂けると思います。

 

さて、それでは将来的に「後見制度」を利用するとして、いったい、どれほどの費用がかかるのでしょうか?

 

 

◇法定後見人の報酬について

 

まず、法定後見人の報酬については、法定されているわけではありませんので、個々の事案により、家庭裁判所が審判で決定するということを予め申し上げておきます。また、「報酬付与の申し立て」を前提としているため、法定後見人から家庭裁判所に対し申し立てがなされない限り、家庭裁判所が勝手に決めるということはありません。

 

 

◇基本報酬と付加報酬がある

 

以上を前提に説明しますと、まず基本報酬については、管理する財産額に応じて、毎月2万円~5万円程度が相場となります。財産額に比例して大きくなるのは、財産額が多ければ(不動産を除く預貯金や金融資産の合計額で5000万円以上であれば多いものとお考えください)、それだけ管理するのが大変だと推測できるからになります。

 

また、これらの基本報酬に加え、なにか特別な財産管理行為を行った場合(有料老人ホームとの間で入居契約を行ったり、家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に参加したり、自宅不動産を売却したり等)には、「付加報酬」として、基本報酬に上乗せして家庭裁判所に対して報酬付与の申し立てを行うことができます。この付加報酬については、難しい遺産分割協議や不動産の処分(売却)の場合は、100万円以上の報酬が認められることもめずらしくありません。

 

 

◇後見監督人が選任されている場合は、監督人の報酬も必要

 

上記を説明しますと、「高い!」と驚かれることがありますが、なんと後見制度を利用した場合の報酬は、これだけでは済まない場合があります。それは、後見人に合わせて「後見監督人」が付された場合です。

後見監督人も、後見人を監督するというお仕事をしているわけですから、毎月の基本報酬が生じます。これも財産額に応じて毎月2万円~5万円程度が相場になります。さらには、後見人の立場と相続人の立場で利益が相反する取引を行う際に、特別代理人として仕事をした場合は、後見監督人にもやはり「付加報酬」が認められてしまうケースがあります。

 

 

◇専門職後見人と親族の間で紛争になることも…

 

上記の通り、後見人と後見監督人がいずれも専門職(弁護士や司法書士など)である場合に、毎月の基本報酬だけでも5万円以上の費用がかかるケースがあり、さらに付加報酬が発生した際には、親族と専門職後見人との間で紛争になることが稀にあります。できるだけ報酬について理解のある(そもそも申立てをしないケースもある)親族の中から後見人を選びたいところですが、後見人の選任は家庭裁判所が行うため、必ずしも推薦通りに行くとは限りません。

 

 

◇有効なのは、「任意後見契約」を元気なうちに締結すること!

 

それでは、このような事態を防ぐためには、どのようにすればよいでしょうか。現状の法制度で考えられる最も有効な対策としては、「任意後見契約」の活用になります。(☞任意後見契約とは

 

なぜ、この任意後見契約(※公正証書で作成します)が有効なのかと言いますと、あらかじめ契約において報酬を決めておくことができるからです。「無償」と定めることも可能です。たとえ毎月10万円と高額であったとしても、元気なうちに本人が納得して契約したものであるため、親族の理解を得やすいという側面もあります。

 

制度が開始してから10年近くが経過しますが、まだまだ認知度が少ない制度ではありますが、遺言の作成とあわせてぜひ作成を検討されてはいかがでしょうか。

 

⇒行政書士法人エベレストの『任意後見業務』

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