2014年

11月

01日

『エンディングノート』の功罪

「エンディングノート」とは

「エンディングノート」とは、自分に万が一のことがあった場合に、残された家族が困らないように、葬儀やお墓の希望や連絡して欲しい人の連絡先、自分自身の財産内容やその所在場所、さらには家族へのメッセージを一冊のノートにまとめたものを呼びます。

大手事務用品メーカーの「コクヨ」が発売したことでよく知られるようになり、「終活」関連の映画が公開されたこともあり、セミナーや新聞等にも取り上げられることが多くなっています。また、現在では、「エンディングノート」関連の商品が金融機関においても取り扱いされており、ますます人気に拍車がかかっております。


エンディングノートの良いところ

「エンディングノート」の良いところは、①遺言書とは異なり、法律文書ではないため「書き方」に制約がなく気軽に書ける点(※1)、②遺言書とは異なり、「ノート」というネーミングもあり、書いて欲しい人に「書いてもらいやすい」という点(※2)があります。

※1…遺言書は「要式行為」であり、書き方を間違えると無効となります。
※2…遺言書は「遺産相続」に関する法的文書であるため、ネガティブなイメージを持っている方が多いため、たとえ親族であっても勧めづらいという風潮があります。

エンディングノートの悪いところ

一方、エンディングノートの悪いところとしては、①遺言書とは異なり、法的な効果がないため、書いた効果が必ずしも実現されるわけではない点(※1)、②実現されないだけならまだしも、法的な効力のない記載により、遺産分割協議において混乱を招きやすい点(※2)が挙げられます。

※1…遺言書であれば、遺言執行者をつけることで、遺言内容の実現が法的に保障されます。
※2…例えばエンディングノートに「財産は長男に全て相続させる」と書いてあったとしても、自筆証書遺言として認められない場合は、その記載を巡って遺産分割協議がスムーズに進まないケースがあります。


エンディングノートの活用方法

以上の良し悪しを踏まえ、エンディングノートの有効な活用方法としては、次の通りです。

①公正証書遺言を書くことを前提として、事前準備である財産の棚卸しや気持ちの整理として活用する。

②あくまで公正証書遺言を前提とし、その「補足的な説明資料」として活用する。

③財産の承継方法については定めず、財産の棚卸し又は葬儀供養に関する希望、家族へのメッセージ等に記入を限定する。


上記の通り、「エンディングノートは遺言書ではない」ということをしっかりと理解して記入することがポイントです。


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