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成年後見人として選任された場合は、家庭裁判所の監督のもとにその事務を行い、定期的に報告する必要があります。仕事内容は次の通りです。
※なお、家庭裁判所に対して「(後見事務に関する)報酬付与の申立て」を行うことで、成年被後見人(本人)の財産の中から報酬の支払いを受けることが可能です。
療養看護と言っても、成年後見制度は、あくまで行為能力を制限された人が法律行為を行うことを可能にする制度であるため、事実行為としての介護行為ではなく、介護契約や介護施設への入所契約などの療養看護に関する『法律行為』が仕事内容になります。
事実行為としての財産管理(お財布や通帳、印鑑を預かるなど)と、対外的な代理行為(契約を代わりに結んだり、遺産分割協議に代わりに参加したりするなど)があります。
なお、老人ホームに入居したいがために、居住していた自宅を売却(処分)するような場合は、家庭裁判所の許可が必要(民法第859条の3)となり、認められない場合も少なくないため、注意が必要です。また、遺産分割協議を行う場合で、成年後見人(保護者)も相続人として当事者である場合は、「利益が相反する関係にある場合」に該当するため、成年後見監督人(※選任されていない場合もあります。)が成年被後見人(本人)を代理するか、特別代理人の選任を申し立てることが必要になります。
上記の通り、成年後見人には本人(成年被後見人)に代わり、財産を管理するというとても強い権限が付与されることになります。ところが、弁護士等の専門職後見人を含め、本人の財産を私的に流用して使ってしまい逮捕されるなどの事件が相次ぎ、後見制度の信頼が揺らいだことがありました。そこで、通常使用しない預貯金(定期預金など)については、信託銀行等に預け、もし特別な支出が必要になった場合は、家庭裁判所の指示がある場合に限定して金銭の交付を受けることとした制度として「後見制度支援信託」がスタートしました。
すべての事案について必ず利用されるわけではありませんが、財産額が多額(一概には言えませんが、1000万円以上であれば多額と言えます。)になる場合は、利用されることが多いと考えた方が良いでしょう。
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