【所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法】土地使用権等取得裁定申請(地域福利増進事業認定申請)について行政書士法人エベレストの解説

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が2018年6月13日に成立!(※公布から1年以内に全面施行)

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が成立致しましたので、行政書士法人エベレストがご紹介致します。「地域福利事業増進事業」(後述)を営む、住宅等メーカー、不動産ディベロッパーの方は、ぜひご一読下さい。条文全文や国土交通省作成のわかりやすい参考資料については、下記からPDFファイルがダウンロードできます。

 

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年6月13日成立)の全文です。
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【参考】国土交通省作成資料
【参考】国土交通省作成資料です。わかりやすくまとめられています。
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背景・必要性について

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」に関する背景や必要性は次の3点があげられています。

 

(1)人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化等により、「所有者不明土地」が全国的に増加している。

 

(2)今後、相続機会が増加する中で、「所有者不明土地」も増加の一途をたどることが見込まれる。

 

(3)公共事業の推進等の様々な場面において、所有者の特定等のための多大なコストを要し、円滑な事業実施への大きな支障となっている。

 

なお、「平成28年度地籍調査」によれば、「不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は、約20%もあるようです。日本列島の「九州全土」に匹敵するそうですので、大きな問題であったわけです。

 

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」概要

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」では、次の3つの役割が規定されました。この3ついずれも大変意義のあるものです。日業務として相続手続きに携わる行政書士法人エベレストとしても、解決に向けた期待の法律となっています。

 

(1)「所有者不明土地」を円滑に利用する仕組み

⇒反対する権利者がおらず、建築物(簡易な構造で小規模なものを除く。)がなく、現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みを構築。

 

①公共事業における収用手続きの合理化・円滑化(所有権の取得)…収用委員会による審理手続きを省略し、権利取得裁決及び明渡裁決を都道府県知事の裁定に一本化されました(※国、都道府県知事の事業認定が必要)。

 

②地域福利増進事業の創設(利用権の設定)…市区町村長の意見を聴いた上で、都道府県知事が利用権(上限10年)を設定することができます(※「地域福利増進事業」に限定されます。後述。)。

 

(2)所有者の探索を合理化する仕組み

⇒所有者の探索において、原則として登記簿、住民票、戸籍など客観性の高い公的書類を調査することとするなど合理化を実施。

 

①土地等権利者関連情報の利用及び提供…土地の所有者の探索のために必要な公的情報(固定資産課税台帳、地籍調査票等)について、行政機関のみが限定して利用できる制度が創設されました。

 

②長期相続登記等未了土地に係る不動産登記法の特例…長期間、相続登記などがされていない土地について、登記官が、「長期相続登記等未了土地である旨」等を登記に記録することができる制度が創設されました。

 

(3)「所有者不明土地」を適切に管理する仕組み

⇒家庭裁判所に対する「財産管理人」の選任申立てについて、所有者不明土地の適切な管理に特に必要がある場合に、地方公共団体の長等でも請求することができるようになりました。

 

「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」目的

第一条において、『この法律は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地が増加していることに鑑み、所有者不明土地の利用の円滑化及び土地の所有者の効果的な探索を図るため、国土交通大臣及び法務大臣による基本方針の策定について定めるとともに、地域福利増進事業の実施のための措置、所有者不明土地の収用又は使用に関する土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の特例、土地の所有者等に関する情報の利用及び提供その他の特別の措置を講じ、もって国土の適正かつ合理的な利用に寄与することを目的とする。』とされています。

「所有者不明土地」とは?その他抑えておくべき用語定義

所有者不明土地

「所有者不明土地」とは、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地を言います。

 

特定所有者不明土地

「特定所有者不明土地」とは、所有者不明土地のうち、現に建築物(物置その他の政令で定める簡易な構造の建築物で政令で定める規模未満のもの(以下「簡易建築物」という。)を除く。)が存せず、かつ、業務の用その他の特別の用途に

供されていない土地を言います。

 

地域福利増進事業

「地域福利増進事業」とは、次に掲げる事業であって、地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進を図るために行われるものをいう。

①道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)による路外駐車場その他一般交通の用に供する施設の整備に関する事業
②学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校又はこれに準ずるその他の教育のための施設の整備に関する事業
③社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)による公民館(同法第四十二条に規定する公民館に類似する施設を含む。)又は図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)による図書館(同法第二十九条に規定する図書館と同種の施設を含む。)の整備に関する事業
④社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)による社会福祉事業の用に供する施設の整備に関する事業
⑤病院、療養所、診療所又は助産所の整備に関する事業
⑥公園、緑地、広場又は運動場の整備に関する事業
⑦住宅(被災者の居住の用に供するものに限る。)の整備に関する事業であって、災害(発生した日から起算して三年を経過していないものに限る。次号イにおいて同じ。)に際し災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)が適用された同法第二条に規定する市町村の区域内において行われるもの
⑧購買施設、教養文化施設その他の施設で地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進に資するものとして政令で定めるものの整備に関する事業であって、次に掲げる区域内において行われるもの
イ.災害に際し災害救助法が適用された同法第二条に規定する市町村の区域
ロ.その周辺の地域において当該施設と同種の施設が著しく不足している区域
⑨前各号に掲げる事業のほか、土地収用法第三条各号に掲げるもののうち地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進に資するものとして政令で定めるものの整備に関する事業
⑩前各号に掲げる事業のために欠くことができない通路、材料置場その他の施設の整備に関する事業

特定登記未了土地

「特定登記未了土地」とは、所有権の登記名義人の死亡後に相続登記等(相続による所有権の移転の登記その他の所有権の登記をいう。以下同じ。)がされていない土地であって、土地収用法第三条各号に掲げるものに関する事業(第二十七

条第一項及び第三十九条第一項において「収用適格事業」という。)を実施しようとする区域の適切な選定その他の公共の利益となる事業の円滑な遂行を図るため当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索する必要があるものをいう。

「地域福利増進事業者」は、都道府県知事に対して「土地使用権等取得裁定申請」を行うことで、「特定所有者不明土地」及びそこにある「所有者不明物件(建物)」を最長10年(※延長申請可)の範囲内で使用することができるようになりました!

裁定申請に係る「申請書」の記載事項は?

前項の規定による裁定の申請(以下この款において「裁定申請」という。)をしようとする事業者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した裁定申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
①事業者の氏名又は名称及び住所
②事業の種別(第二条第三項各号に掲げる事業の別をいう。)
③事業区域
④裁定申請をする理由
⑤土地使用権の目的となる特定所有者不明土地(以下この款(次条第一項第二号を除く。)において単に「特定所有者不明土地」という。)の所在、地番、地目及び地積
⑥特定所有者不明土地の所有者の全部又は一部を確知することができない事情
⑦土地使用権等の始期(物件所有権にあっては、その取得の時期。以下同じ。)
⑧土地等使用権(土地使用権又は物件使用権をいう。以下同じ。)の存続期間
とされています(第10条第2項)。それほど、難しい記載項目はなさそうですね。法施行後は、都道府県ごとの該当部署のHPにて申請様式や「申請の手引き」が公開されるのでそちらを使用して申請することとなります。

「裁定申請書」に必要な法定添付書類は?(第10条第3項)

(1)次に掲げる事項を記載した事業計画書
イ.事業により整備する施設の種類、位置、規模、構造及利用条件
ロ.事業区域
ハ.事業区域内にある土地で特定所有者不明土地以外のもの及び当該土地にある物件に関する所有権その他の権利の取得に関する計画(次条第一項第五号において「権利取得計画」という。)
ニ.資金計画
ホ.土地等使用権の存続期間の満了後に特定所有者不明土地を原状に回復するための措置の内容
ヘ.その他国土交通省令で定める事項
(2)次に掲げる事項を記載した補償金額見積書
イ.特定所有者不明土地の面積(特定所有者不明土地を含む一団の土地が分割されることとなる場合にあっては、当該一団の土地の全部の面積を含む。)
ロ.特定所有者不明土地にある所有者不明物件の種類及び数量
ハ.特定所有者不明土地等(特定所有者不明土地又は当該特定所有者不明土地にある所有者不明物件をいう。以下この款において同じ。)の確知所有者の全部の氏名又は名称及び住所
ニ.特定所有者不明土地等の確知権利者(土地又は当該土地にある物件に関し所有権以外の権利を有する者であって、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお確知することができないもの以外の者をいう。次条第五項及び第十七条第一項において同じ。)の全部の氏名又は名称及び住所並びにその権利の種類及び内容
ホ.土地使用権等を取得することにより特定所有者不明土地所有者等(特定所有者不明土地等に関し所有権その他の権利を有する者をいう。以下この款において同じ。)が受ける損失の補償金の見積額及びその内訳
(3)事業区域の利用について法令の規定による制限があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の長の意見書
(4)事業の実施に関して行政機関の長の許可、認可その他の処分を必要とする場合においては、これらの処分があったことを証する書類又は当該行政機関の長の意見書
(5)その他国土交通省令で定める書類
以上です。国土交通省令により、さらに増えることが予想されます。

「特定所有者不明土地に関する使用権裁定申請」や「土地所有者等関連情報の提供申請」に関して、手続きが難しかったり煩雑で困ったときは、「行政書士」へ依頼することができます。

「行政書士」とは、役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理等を行う国家資格者です。本法律に関する裁定申請(都道府県に対する申請)は、正に行政書士の独占業務であり、業として代理することができるのは、行政書士のみとなっています。行政書士法人エベレストでは、当該裁定申請に一早くから情報収集を行い、関連する開発許可申請や農地転用許可申請、相続人確定調査や遺産分割協議書作成などにも積極的に取り組んで参りましたので、手続きに躓いてしまった事業主様(住宅メーカーや不動産ディベロッパーなど)は、お気軽に行政書士法人エベレストへご相談ください。

 

※行政書士報酬については、事案により大きく異なるため、個別見積もりとなります。

 

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