【公庫新型コロナ融資】日本政策金融公庫の特別融資制度について(手続きの流れ、必要書類、融資条件、断られた場合の対処法等)【新型コロナウイルス感染症特別貸付】

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」について

日本政策金融公庫って何?地方銀行とは違うの?

日本政策金融公庫とは、株式会社日本政策金融公庫法という根拠法に基づき設立された政府系金融機関です。一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とし、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって国民生活の向上に寄与することを目的として業務を行っています。

地方銀行と同じく金融機関ではありますが、預貯金を預けることは出来ません。

 

小規模事業者の心強いパートナー

日本政策金融公庫のホームページによれば、事業資金の融資先数は88万先にのぼります。1先あたりの平均融資残高は702万円と小口融資が主体です。融資先の約9割が従業者9人以下の小規模事業者であり、約半数が個人企業となっています。また、無担保融資の割合は全体の8割を超えています。

 

このような実態からしても、多くの事業者にとって、最も身近な金融機関であり緊急時の心強いパートナーとなります。

 


日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の概要

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の解説動画(公式HPへ飛びます)

日本政策金融公庫(国民生活事業)新型コロナウイルス感染症特別貸付の解説動画ページへ
日本政策金融公庫(国民生活事業)新型コロナウイルス感染症特別貸付の解説動画ページへ

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」をご利用いただける方

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方であって、次の(1)または(2)のいずれかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方が利用することが可能です。

 

(1)最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方

(2)業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと

   比較して5%以上減少している方

    ①過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高

    ②令和元年12月の売上高

    ③令和元年10月から12月の平均売上高

 

他の資金繰り支援策である「セーフティネット保証制度(4号認定)」が前年同月比20%以上の減少であることと比べると、当該融資制度の適用のハードルは低くなっています。

 

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の資金の使い道について

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度の資金使途は、『新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする設備資金および運転資金』と定められています。運転資金での使途が認められていることから、休業中の家賃の支払いや従業員への休業手当の支払い等に充てることが可能です。なお、当該制度はあくまで「融資」となりますので、返済が必要不可欠です。返済が不要となる制度は、「持続化給付金」となりますので、以下のブログ記事をご覧ください。

 

→【持続化給付金①】5月1日受付開始!申請期限はいつまで?持続化給付金(個人事業主最大100万円/法人最大200万円)の制度概要まとめ【新型コロナ感染症】

 

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の融資限度額について

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度の融資限度額は『6,000万円(別枠)』となっております。もちろん事業規模に応じた「必要」な金額が融資決定額となりますので、例えば従業員を雇い入れておらず、年商が500万円に満たない個人事業主の場合にでも限度額まで融資を受けられるというわけではありませんので、ご注意ください。

 

なお、「別枠」審査となりますので、既に日本政策金融公庫から通常の融資制度を活用し、既に融資枠が上限まで使い切っている場合でも、貸し付けが受けられる可能性があります。

 

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の利率(年)について

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度の利率(年)は、日本政策金融公庫が定める基準金利(※時期によって変動)ですが、3,000万円を限度として融資後3年目までは「0.9%引き下げ」となっています。なお、「特別利子補給制度」との併用により、「実質無利子化」という支援策が決定しています。

 

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のご返済期間ついて

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度では、ご返済期間について、以下の通り設定されています。

 

①設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)

②運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内)

 

ここで注目すべきは、「据置期間」が5年以内と長期に設定されていることです。据置期間とは、「借入利息のみの支払いで、元本返済を後回しにできる期間」のことを言います。当然、後で支払う必要があるため、据置期間終了後の月々の返済は厳しくなりますが、今回の新型コロナの影響により急激な売り上げ減少で、資金繰りが厳しくなっているときは、ありがたい制度でしょう。但し、据置期間が長いほど、金融機関にとっては回収不能に陥るリスクは高くなるため、審査が厳しくなります。融資申請の際には、据置期間を希望することはもちろんできますが、しっかりとした計画を立てて、合理的な期間を設定して申し込むようにしましょう。なお、返済期間については、長ければ長いほど、月々の返済額は抑えられますが、総額の支払いは利息が増えるために、大きくなります。この点も、計画的に申請を行うべきでしょう。

 

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の担保提供の有無について

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度では、原則「無担保」とされています。ただ、審査結果にっては、「代表者の連帯保証があるなら融資可」とされる場合もあるようですので、そのような心づもりだけはしておくとよいでしょう。

 

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の必要書類

個人営業の場合の必要書類について(新型コロナ特別貸付)

【新型コロナ特別貸付(日本政策金融公庫)】個人営業の方の必要書類について
【新型コロナ特別貸付(日本政策金融公庫)】個人営業の方の必要書類について

注)税務申告1期しか完了していない方は1期分をご準備ください。事業をはじめて間もない方で税務申告未了の場合はご提出の必要はありません。

法人営業の場合の必要書類について(新型コロナ特別貸付)

【新型コロナ特別貸付(日本政策金融公庫)】法人営業の方の必要書類について
【新型コロナ特別貸付(日本政策金融公庫)】法人営業の方の必要書類について

(個人・法人共通)必要書類ダウンロードはこちら(※5月4日時点様式)

設備資金をお申込の場合は、見積書をご提出ください(個人・法人共通)。

※様式については、変更の可能性があります。以下から取得できますが、日本政策金融公庫ホームページより、最新版をダウンロードください。

 

借入申込書

【日本政策金融公庫】借入申込書
【日本政策金融公庫】借入申込書
借入申込書.pdf
PDFファイル 2.0 MB

自己申告書

【公庫融資】ご商売の概要(お客様の自己申告書)
【公庫融資】ご商売の概要(お客様の自己申告書)
ご商売の概要(お客さまの自己申告書).xlsx
Microsoft Excel 40.4 KB

売上減少の申告書

【新型コロナ融資】売上減少の申告書(日本政策金融公庫)
【新型コロナ融資】売上減少の申告書(日本政策金融公庫)
売上減少の申告書.docx
Microsoft Word 37.2 KB

日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」手続きの流れ

ステップ1:まずは「ご商売の概要」を用意(※既取引がある場合は不要)

現在、日本政策金融公庫とお取引がない場合は、事業概要を説明する必要があるため、上記の様式を用いて、ご商売の概要に関する説明資料を作成しましょう。基本的に「書類審査」ですので、口頭での説明では不十分です。書類だけを見ても、誰もが事業概要についてわかるように説明することが最初の一歩です。

 

ステップ2:許認可証の写しや過去の「決算書類(確定申告書等)」の用意

次に、日本政策金融公庫へ融資申請をする際の「必要書類」を準備しましょう。原本提示ではないため、提出できるように「写し(コピー)」を取る必要があります。なお、申告期限がまだ来ておらず、1期目の場合は当然不要(存在しないため)ですが、現在までの「試算表」を作成して、代替書類としましょう。

 

ステップ3:売り上げ減少の申告書を書きましょう(新型コロナ特別貸付)

新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、かつ実際に売上が5%以上減少ていている方は、所定の様式を用いて申告書を記載しましょう。なお、こちらの売り上げ減少の申告書については、所在の市区町村や税理士等の確認は不要とされています。セーフティネット保証制度とは異なる点ですね。

 

ステップ4:「借入申込書」を作成しましょう(新型コロナ特別貸付)

最も重要な日本政策金融公庫に対する「借入申込書」を作成(記入)しましょう。家族構成なども記載が必要です。心証が悪くならないように、きれいな字で、しっかりと記載しましょう。なお、融資希望額については、事業概要と比べてかけ離れた金額を書いてしまわないように注意しましょう。具体的に調達金額が迷う場合は、「顧問税理士に相談」してみると良いでしょう。顧問の税理士がいない場合は、これを機にお願いすることをお勧めします。ちゃんとした税理士が付いているかいないかで、金融機関の心証は異なるためです(決算書類の信ぴょう性など)。

 

ステップ5:担当者がいる場合は担当者へ連絡しましょう(提出方法確認)

日本製策金融公庫にて既存の取引がある場合は、「担当者」が付いています。わからない場合は取引のある支店へ電話して聞いてみましょう。通常は、支店に伺ったり、逆に来てもらったりして融資相談を進めますが、新型コロナの影響が出始めてからは窓口がパンク状態であるため、まずは電話して提出方法を確認しましょう。アポなし訪問だと嫌がられることもあるため、まずは連絡するのが無難です。そのうえで、「郵送して欲しい」となれば、必要書類をきちんと揃えたうえで郵送を行います。その後、面談が必要な場合は、面談日程の連絡が担当者から入りますが、この非常時ですので、書類審査と簡単な電話のみで早期に審査が終わるケースもあるようです。

 

日本政策金融公庫から融資を断られてしまった場合の原因について

新型コロナウイルス感染症の影響があっても「融資審査」は甘くならない!

いくら日本政府から日本政策金融公庫に対して、「十分に配慮すること」を求めているからと言っても、「融資審査」が甘くなるわけではないことに注意が必要です。日本政策金融公庫は「預金」を持たないため、原資は我々一人一人の「税金が原資」であるとも考えられます。実際に、新型コロナウイルス感染症の影響ではなく売上が減少している場合などの「便乗申請」も多いことや、「回収不能」になってしまった場合の損害を考えると、日本政策金融公庫が甘い審査をするわけではないことはご理解頂けるのではないかなと思います。

 

日本製策金融公庫が融資を断るケースの事例(理由)

融資を断られる事例①創業して間もなく、売上がそもそも計上されていない

創業して間もなく、過去の決算書が作成されていない場合であっても、『業歴3か月以上』の場合は、その平均売上高を実績として、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度を使って融資申請することが可能です。但し、開業してから売上がほとんどない場合は、そもそも事業を行っている実態が不透明であり、今後も売上が得られる見込みがないと判断される可能性があるため、日本政策金融公庫から融資を断られるケースが多いようです。但し、売上計上は出来ていなくても、発注をもらっていることが契約書等で立証できたり、税理士や司法書士などの「士業」であって、事業形態が確立されている場合には、売上計上が全くなくても、融資審査が通る場合はあります。

 

融資を断られる事例②税金を滞納している(納税義務を果たしていない)

既に事業を1年以上行っている場合で、法人税や法人住民税などの納税義務が発生している場合において、それらの税金に係る「税金を支払ったことがわかる領収書の写し」を求められる場合が多々あります。これは、税金を滞納している場合は、日本政策金融公庫の融資を断られるためです。なお、「滞納」と「納税猶予」は異なりますので、正当に「納税猶予」を受けている場合は、融資が通る場合があります。この場合には、納税猶予を受けていることの書類を用意しましょう。

 

融資を断られる事例③事業に必要な「許認可」を得ていない

例えば、他人からの委託を受けて、有償でモノを運ぶ「運送業」という事業形態を行っている場合に、適切に「運送業許可(軽貨物運送、利用運送など含む)」を得ていない場合は、「違法営業」ということになり、日本政策金融公庫の融資を得ることは出来ません。他にも、「違法派遣」や「宅建業法違反」など、多数の許認可に係る事業形態があります。許可を要する必要があるかわからない場合は「行政書士」に相談し、未取得であれば融資申請の前提として取得しましょう。

 

融資を断られる事例④「信用情報」にキズが付いている

日本製策金融公庫のみならず、融資の申込みが断られる最も多い事例として、「信用情報にキズが付いている場合」があります。これは過去に、滞納(支払いの遅延)をした、破産申し立てをした、債務整理を行った、差押えが実行された等です。特に、過去に日本政策金融公庫からの借り入れを返済していない場合は、融資を受けることはほとんど出来ない(よほどの担保を供するなどしなければ、再度融資を受けられる可能性が著しく低い)でしょう。

 

融資を断られる事例⑤反社会的勢力との関りや、反社会的な態度要求がある

法人の場合に、取締役や監査役などの「役員」に反社会的な勢力として登録されている方がいたり、取引先を通じて何らかの反社会的な組織や個人との関わりがあることが明らかな場合は、日本政策金融公庫の融資は断られます。また、例えそういった繋がりがなかったとしても、融資申請の際に、職員を恫喝したり、大声を出したり、執拗に融資を迫るなどの反社会的な行為を行った場合も、人的な信用に問題が生じるため、融資を受けることが出来ません。態度や言葉遣いにも注意する必要があります。

 

融資を断られる事例⑥事業内容(概要/売上規模)と融資申請額が不一致

例えば、年商(売上高)が500万円程度(毎月40万円前後)であり、概ね毎月30万円前後の経費が発生している場合において、融資金額を(運転資金のみで)年商と同じ規模である「500万円以上」とする融資申請は、日本政策金融公庫に断られやすいです。いわゆる「身の丈に合った融資」が求められるところ、借りすぎの状態が発生してしまい、「自己資本比率」がかなり下がってしまい、財務状況が悪化するためです(借り入れは「他人資本」となります)。なお、販売方法を変えるための包装機器や新しい調理器具などを購入する「設備資金」として融資申請する場合は認めらえる可能性があります。そのため、「運転資金か設備資金か」などの説明がつかないお金を引っ張ろうとする融資申請をしてしまうと、日本政策金融公庫のみならず、民間金融機関においても、融資が断られる可能性が高くなります。

 

融資を断られる事例⑦そもそも決算状況が良くなく、「返済能力」がない

これも日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の拒否事由に多いそうですが、例え新型コロナ感染症の影響がなくても事業が破たんしていたようなケースです。借入金は、利益の中から返済しなくてはなりませんので、『営業利益(+減価償却費)>借入金の年間返済額+利息』という図式がなりたたなくてはなりません。この図式が成り立たない場合は、「返済能力がない」ものとされ、日本政策金融公庫の融資を断られる可能性が高くなります。

 

融資を断られる事例⑧事業環境の急激な変化により「回復の見通し」がない

新型コロナウイルス感染症の影響は甚大で広範な業界に渡っておりますが、日本政策金融公庫や他の金融機関は、あくまで業績の回復見込みがあることを前提として貸付を行います。そうでないならば、倒産するのが時間の問題である企業に貸し付けることはしません。そのため、経営者には、サービス提供プロセスの変更や非対面型ビジネスモデルへの転換などが求められます。融資担当者は、新型コロナウイルス感染症の影響が早期に回復するという楽観的な見通しはしていません。そのため、「この企業なら長期的な打開策を遂行して、苦しいながらも返済を行い、利益を出していけるだろう」という企業や個人に貸し付けます。このような業績評価を与えられない場合には、日本政策金融公庫から融資を断れる可能性が高くなるため、何らかの改善策を策定し、説明資料とし用意しておくことが重要です。

 

日本製策金融公庫から融資を断られた場合の対策について

徹底的な経費削減等を行い、早くて「3か月後」の再申請にチャレンジする

日本製策金融公庫で融資を断られた場合、基本的には「6か月以上」経過していないと、財務状況に改善が見られず、そもそも借り入れ申込を受け付けてくれない可能性もあります。ただ、徹底的な経費削減や大きな売り上げの計上があるなど、改善が見られた場合には、不可の決定を受けた日から3か月程度で再度融資申請を受け付けてくれる場合もあるようです。なお、信用情報にキズがあったり、必要な許可を得ていないこと理由として融資が不決定になっている場合は、状況が改善されない限り、再申請しても融資が得られることはありません。

 

他の融資制度を利用する(例:セーフティネット保証制度+民間金融機関)

日本製策金融機関で融資が断られた場合でも、「セーフティネット保証制度」を活用して、都道府県や市区町村の信用保証協会から保証を受けることが出来れば、民間金融機関(信用金庫や信用組合がお勧めです)にて融資を得られる可能性があります。この点は、資金調達に詳しい専門家や顧問税理士にご相談ください。重要なのは、日本政策金融公庫以外にも融資を得られる可能性はある、ということです。

 

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