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行政書士と司法書士の違いについて【まとめ】

司法書士又は行政書士であれば、一度は質問される「行政書士と司法書士との違い」

「行政書士」と「司法書士」。どちらも「○○書士」というネーミングもあり、「名前の違いはわかるけど、何が違うの?」という質問をよく受けます。行政書士として仕事をしている人でこの質問をされたことがない人はいないのでは?!というほど、メジャーな質問ですが、あまりにも質問が多いので、行政書士と司法書士の違いについて比較してみることとしました。参考になれば幸いです!

 

ウィキペディアでの「行政書士」と「司法書士」について

行政書士とは

行政書士(ぎょうせいしょし)とは、行政書士法に基づく国家資格であり、官公署に提出する書類および権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続きの代理又は代行、作成に伴う相談に応ずる専門職である(※ウィキペディア「行政書士」より抜粋)。

 

司法書士とは

司法書士(しほうしょし)とは、司法書士法に基づく国家資格であり、専門的な法律の知識に基づき不動産や法人の登記の代理及び供託の代理、裁判所や法務局などに提出する書類を作成する専門職である。また、一定の制限はあるが、簡易裁判所における民事訴訟、和解、調停などにて当事者を代理することができる(※ウィキぺディア「司法書士」より抜粋)。

 

「行政書士」制度の歴史と「司法書士」制度の歴史から見る違い

行政書士制度の歴史

行政書士に関する法制度は「行政書士法」という法律に規定されています。この行政書士法は、1951年(昭和26年)2月に議員立法により制定されました。この法律が制定されるよりも前の1920年(大正9年)に内務省令として「代書人規則」が発令されており、また、1948年(昭和23年)に東京都にて「行政書士条例」が定められていますので、省令や地方公共団体に限定される条例から発展的となる「法制化」は当時の業界の念願であったようです。

 

司法書士制度の歴史

司法書士に関する法制度は「司法書士法」という法律に規定されています。この司法書士法は、1919年(大正8年)に制定された「司法代書人法」という法律を全面改正する形で1935年(昭和10年)からスタートしています。なお、「弁護士法」は1893年(昭和26年)に制定されています。

 

「行政書士法」と「司法書士法」の制定時期に違いはあるけれど…

上記の通り、法整備の動きはあったものの、「司法書士法」が制定されてから16年も後にようやく「行政書士法」が制定されることとなりました。もっと遡ると、1872年(明治5年)太政官達「司法職務定制」により「証書人、代書人、代言人」の3種が制定されたのがスタートと考えることもできますし、歴史上はあまり大きな差はないでしょう。

(※参考までに、「税理士法」制定は1951年(昭和26年)6月、「社会保険労務士法」は1968年(昭和43年)に制定されています。「行政書士法」よりも後なんですね。)

 

行政書士と司法書士の比較表(登録者数や業務範囲などの相違点)

比較項目 行政書士 司法書士
①主務官庁(国家資格) 総務省 法務省
②受験者数(2014年) 48,869人 20,130人
③合格者数(2014年) 4,043人

759人

④合格率(2014年)

8.27%

3.77%

⑤登録者数

44,740人

(2015年

4月1日現在)

21,808人

(2015年

7月1日現在)

⑥独占業務の内容(一部の者に認められる「特定業務」を除く)

 

①官公署に提出する書類作成

②その他権利義務又は事実証明に関する書類の作成

③上記①②の書類の提出代理

④上記①②の書類の代理作成

⑤上記①②の書類の作成相談

①登記又は供託手続き代理

②法務局への提出書類作成

③上記②の審査請求手続代理

④裁判所又は検察庁への提出

 書類の作成

⑤上記①~④の相談

⑦試験科目

憲法・民法・行政法・地方自治法・会社法・一般知識

憲法・民法・刑法・会社法

不動産登記法商業登記法

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法

⑧試験について

補足説明

 ※実技試験はありません。記述試験があるものの40字程度の穴埋め問題に近いです。

 ※上記のうち、民法・会社法・

不動産登記法・商業登記法の知識

が8割を占め、実務に近い書式

試験があります。また、民法と会社法は推論問題もあり、司法試験の択一試験と知識の差はないと言われています。

具体的な業務内容にみる「行政書士」と「司法書士」の違い(比較)

相続手続き

しばしば弁護士業界・司法書士業界・行政書士業界の3者で問題(いわゆる「業際問題」)になりますが、司法書士と行政書士の大きな違いは、次の業務が挙げられます。

 

■相続関係説明図の作成(戸籍収集)、遺産分割協議書の作成

司法書士は、不動産登記の依頼を受けた場合に限り、その附属書類として相続関係説明図や遺産分割協議書を作成することができます。つまり、相続の対象に不動産がないような場合において「相続関係説明図」のみの作成を行うことはできません(←法定相続情報一覧図の制度開始により、法務局に対する提出書類であることから、一覧図の作成及び交付申請が当然に出来るようになっています)。

 

一方、行政書士は、不動産の有無等に関わらず、例えば預貯金の解約手続きなどのためだけに相続関係説明図の作成や(係争性がなく、既に合意が成立している)遺産分割協議書の作成を行うことができます。なお、司法書士であっても、行政書士であっても、遺産分割協議において相手方との交渉を行うことや、遺言や相続に関する個別具体的な「法律相談」は行うことができません(弁護士法第72条違反:いわゆる“非弁行為”)。実務では線引きが難しいため、裁判例においては『争訟性の有無』が一つの判断材料となっているようですが、争いになっているか否かに関わず「法律」に関する相談であれば全て弁護士だけしか業務を行えないという主張もあり、しばしば問題になっています。

 

いずれにせよこのような業際に関する説明をきちんと行わない専門家は「コンプライアンス(法令順守)」意識が低いと思われるため、十分に気を付けた方がよいでしょう。当法人では、少しでも係争性がある場合は、ご依頼をお断りし、原則として弁護士をご紹介させて頂いておりますので、予めご了承ください。

 

■農業委員会への届出や未登記家屋の家屋補充台帳上の名義変更は行政書士

上記の他、例えば農地(田や畑)を相続した場合の農業委員会への届出義務や未登記家屋に関する家屋補充台帳上の名義変更申請については行政書士のみが担当し、司法書士にて行うことはできません。

 

■不動産の名義変更や家庭裁判所への相続放棄申立て、後見人申立ては司法書士

上記の他、法務局への手続きとなる不動産の名義変更や家庭裁判所への申立てが必要な相続放棄、後見申立てなどについては、司法書士が担当し、行政書士は行うことはできません。なお、成年後見人としての職務については、家庭裁判所が選任するため、資格を問わず就任することが可能ですが、実務では専門職後見と呼ばれる「弁護士」「司法書士」「社会福祉士又は社会福祉協議会」が多いのが実情です。

 

会社設立手続き

会社を設立する業務においても、司法書士と行政書士はしばしば業際問題が取り上げられます。相続ほど複雑ではありませんが、下記のとおりです。

 

■法務局への設立登記申請

会社は「登記」がされて初めて法律的に存在が認められることとなります。すなわち法務局へ書類を提出することが必ず必要になるため、この設立登記申請書の作成及び相談は司法書士の担当であり、行政書士は行うことができません(※但し、この部分だけ本人申請で行い、その他の登記申請書以外の書類作成を行政書士として担当して業務を一部受任している行政書士もいらっしゃるようです。なお、行政書士法人エベレストでは、すべて司法書士法人エベレストでの受任にて行っています)。

 

■(電子)定款の作成

会社を作るには、「定款」という会社の運営ルールを決めなくてはなりません。この「定款」の作成や、設立時の取締役を選任した際の「発起人の意思決定書」などの書類は事実証明書類として行政書士が作成することができます。つまり、上記設立登記申請以外は、行政書士でも対応できることになります(たまにいらっしゃいますが、行政書士登録を行っていない「税理士」は受任できません)。

 

■NPO法人や社会福祉法人、医療法人や学校法人、宗教法人などの「認可」「認証」申請

NPO法人や社会福祉法人などの特殊法人では、「行政庁」の許認可が必要になります。こういった行政庁に対する申請については、行政書士の独占業務のため、司法書士資格のみでは行うことができません。

 

『帰化許可申請』は行政書士でも司法書士でも対応可能なレア業務!

あまり知られていないようですが、法務大臣あての帰化許可申請書、検察審査会への提出書類の作成、司法警察機関あての告訴・告発状づくりは、司法書士との共同独占業務とされており、司法書士でも行政書士でも行うことができます。もっとも、帰化許可申請を司法書士資格で行なっている方はあまり聞いたことがなく、行政書士による支援が多数を占めるようです。

 

契約書作成業務はもっとも紛らわしい!

契約締結の交渉代理は弁護士しか行えないですが、契約内容が既に決まっており、書面化するだけという場合において契約書の作成は行政書士の業務範囲にもなります。一方、司法書士は登記申請等の司法書士業務の依頼を受けていれば、その附属書類として契約書も作成することができます。

 

例えば、不動産の売買における「売買契約書」の作成(所有権移転登記申請)や、住宅ローン等の担保として不動産に抵当権を設定する場合の「金銭消費貸借契約書」の作成(抵当権設定登記申請)を行うことが可能です。金銭の贈与契約書作成は司法書士は対応できませんが、不動産の贈与契約書作成であれば対応可能となり、消費者からすると大変紛らわしい「業際問題」です。

 

※行政書士法人エベレストでは、係争性がなく、当事者からの双方のご依頼を原則として契約書の作成の委任を受けることがありますが、少しでも係争性がある場合は弁護士をご紹介させて頂いております。また、交通事故関係及び離婚関係は係争性が内在していると考えているため、当然に弁護士をご紹介させて頂いております。

 

行政書士と司法書士の違い(まとめ)

上記の通り、行政書士と司法書士は根拠法や業務範囲も異なるため、それぞれの資格者はしっかりと法令を遵守し、一般消費者である依頼者を誤認させないように互いに気をつけなくてはなりません。上記説明のように、相続手続き全てを行政書士が扱えないわけではありませんし、会社設立業務すべてを行政書士が扱えないわけではないにもかかわらず、(当法人ではない)個別の違反事例を一般化・拡大化して資格ごと、事実確認無くして非難する暴論を述べる方もいらっしゃいますので、とても残念でなりません。

 

なお、行政書士試験と司法書士試験の難易度の違いからよく勘違いされるのですが、試験のレベルは司法書士が圧倒的に上であっても、行政書士も司法書士もそれぞれが専門職であり、行政書士と司法書士の専門家としての役割に優劣はない(基本的に畑が違うので比べることが妥当ではない)でしょう。

 

※依頼先を迷ったときは、行政書士法人エベレスト、司法書士法人エベレスト、さらには社会保険労務士法人エベレストや税理士法人エベレストなど、ワンストップで対応できる当グループにお気軽にご相談ください。具体的な相談内容に応じて、担当士業にて直接対応を行います。

 

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