行政書士と社会保険労務士(社労士)の違いについて

ウィキペディアでの「行政書士」と「社会保険労務士(社労士)」

行政書士とは

行政書士(ぎょうせいしょし)とは、行政書士法に基づく国家資格で、官公庁への提出書類及び権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続、行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続(特定行政書士(後述)の付記がある者に限る)等の代理、作成に伴う相談などに応ずる専門職である。(※「Wikipedia」から抜粋)

 

社会保険労務士(社労士)とは

社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)とは、労働・社会保険の問題の専門家として、労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書等を依頼者に代わって作成すること、個別労働関係紛争の解決手続(調停、あっせん等)の代理を行うこと、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険、国民年金、厚生年金保険についての相談・指導を行うことを職業とする為の国家資格である。(※「Wikipedia」から抜粋)

 

行政書士制度の歴史と社会保険労務士(社労士)制度の歴史の違い

行政書士制度の歴史

行政書士に関する法制度は「行政書士法」という法律に規定されています。この行政書士法は、1951年(昭和26年)2月に議員立法により制定されました。この法律が制定されるよりも前の1920年(大正9年)に内務省令として「代書人規則」が発令されており、また、1948年(昭和23年)に東京都にて「行政書士条例」が定められていますので、省令や地方公共団体に限定される条例から発展的となる「法制化」は当時の業界の念願であったようです。

 

社会保険労務士制度の歴史

先行していた行政書士制度から分離する形で、1968年に社会保険労務士法が議員立法により制定されました。そのため、制度発足当時の行政書士には、試験なく、特別に社会保険労務士資格が与えられており、現在も72歳を超える大ベテランの行政書士の先生では、行政書士資格のままで、一部の社会保険労務士業務が取り扱える先生もいらっしゃいます(特例措置)。

 

行政書士と社会保険労務士の比較表(試験制度など)

比較項目 行政書士 社会保険労務士(社労士)
①主務官庁(国家資格) 総務省 厚生労働省
②受験者数(2019年) 39,821人 38,428人
③合格者数(2019年) 4,571人

2,525人

④合格率(2019年)

11.5%

6.6%

⑤登録者数

48,639人(2020年

4月1日時点)

42,537人(2019年9月30日時点)
⑥試験科目

憲法・民法・行政法・地方自治法・会社法一般知識

労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法/

雇用保険法・労働保険徴収法/

労務管理その他の労働に関する一般常識/社会保険に関する一般常識/

健康保険法/厚生年金保険法・国民年金法(10分野)

⑦試験について補足説明

 実技試験はありません。記述試験があるものの40字程度の穴埋め問題に近いです。

 

実技試験はありません。選択式及び択一式に「足切り」ラインがあり、合格率が低い要因の1つとなっています。

具体的な業務内容にみる行政書士と社会保険労務士(社労士)の違い

契約書関係(及び就業規則について)

雇用契約書については、「帳簿書類」の一つとすれば社会保険労務士(社労士)の独占業務となりますが、そもそも「36協定届出」等とは異なり、労働局等への「提出を予定している」書類ではないため疑義が発生しているようです(行政書士でも作成できるという意見が多い模様)。

また、「就業規則(10名以上だと届出義務があるが、未満であれば提出を予定しない書類)」についても同様で、以下のリンク先の通り疑義が発生している模様です。本件の顛末や法的な解釈は当法人では調査が追いついておらず結論を説明致しかねますが、一般的には社会保険労務士が取り扱っていることが圧倒的ですし、試験内容からしても、就業規則の作成については、行政書士ではなく社会保険労務士へ相談されることを推奨します。もちろん、大ベテランの行政書士の先生は前述の通り、当然に扱えます(どっちの業務だろうと問題にならないため)。


https://www.gyosei.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/bd95d070fa1d536383c2181b092be4f1.pdf

 

相続手続き

広範に及ぶ相続手続き分野を業務範囲とする社会保険労務士(社労士)は稀ですが、例えば「年金手続き(支給停止や遺族年金裁定請求、未支給年金の請求手続き)」や「(健康保険制度から支給される)葬祭費等の請求手続き」「恩給手続き」については、社会保険労務士法第2条で定める独占業務(労働社会保険諸法令に基づき行政機関へ提出する書類作成または提出手続きの代行)となります。そのため、これらの手続きを行政書士が報酬を得て代行することは出来ません。

 

許認可申請(営業系)

「許認可申請」というとまさに行政書士業務の主要業務になりますが、社会保険労務士法第2条に定めるとおり、労働社会保険諸法令で定めるものについては、社会保険労務士の独占業務となります。代表的なものでは、「有料職業紹介事業許可」と「労働者派遣事業許可」は、行政書士ではなく、社会保険労務士の独占業務となります。なお、「労働社会保険諸法令」に「労働組合法」は含まれないとされているようです。

 

補助金&助成金手続き

厚生労働省が管轄する「雇用関連助成金」手続きについては、社会保険労務士の独占業務となります。一方、行政官庁が統括している補助金については、行政書士の独占業務となります。補助金公募において「事務局」として行政官庁以外に委託される場合が珍しくありませんが、そのような場合でも補助金を出しているところが行政官庁である場合は、行政書士の独占業務となる「官公庁への提出書類」になると解釈するのが自然でしょう。なお、「給付金」「助成金」「補助金」などの名称ではなく、どこに提出するのかで判断されることが重要です。名称に捉われないように注意しましょう。

 

外国人支援に係る「登録支援機関業務」は両方登録可能!

2019年4月より施行された改正入管法で新たに制度化された「登録支援機関」には、社会保険労務士も行政書士も実績要件を満たすことができれば、登録を受けることが出来ます。つまり、登録支援機関として行う外国人の生活支援等については、社会保険労務士も行政書士も行うことが出来ます。そして登録支援機関としての職員であれば、支援をしている1号特定技能外国人に関する申請取次を行うことが制度上可能です。

 

介護保険法関連

介護保険法は2000年に施行された比較的新しい社会保障制度ですが、この介護保険法に基づく諸手続きについても、日本行政書士会連合会のホームページを閲覧する限りは、「介護サービス事業者の指定申請」について社会保険労務士の独占業務に該当します。なお、介護施設が全て介護保険を利用しているわけではありませんので、例えば「有料老人ホームの開設届出」などは、行政書士の独占業務となります。放課後デイサービス等の福祉系関連施設の開設許可申請についても行政書士の独占業務となります。紛らわしいせいか、社会保険労務士の方で介護保険施設関係の業務を取り扱っている方はあまり多くないようです。

 

行政書士と社会保険労務士(社労士)の違い(まとめ)

上記の通り、行政書士と社会保険労務士(社労士)は根拠法や業務範囲も異なるため、それぞれの資格者はしっかりと法令を遵守し、一般消費者である依頼者を誤認させないように互いに気をつけなくてはなりません。
 
なお、行政書士も社会保険労務士(社労士)もそれぞれが専門職であり、行政書士と社会保険労務士の専門家としての役割に優劣はない(基本的に畑が違うので比べることが妥当ではない)ですね。

 

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